『別れ話したのは 去年の事でしたね
ひとつ大人になって忘れませんか』
僕の中学時代に流行ったキャンディーズの唄である。
当時アイドル黄金時代とも呼ばれ、その最先端をピンクレディ共に突き抜けていったキャンディーズ。
実は、ピンクレディの方が好きだったのと、この唄自体の記憶が中学生の時には何故かあまり無い…。調べてみると、発売は1976 3/1となっている。この時期ならば中学生ではなく小学生だ。
何故、中学生の時のイメージがあったのかは謎だが、もしかすると、この唄、ジワジワと長いスパンで、チャートを上げてあったのかも知れない。
冒頭の2行。
毎年、春になると口ずさみ、そして未だにこの歌詞について考えてしまう。
10代のまだ世間知らずの『女の子』と呼ばれても仕方ない位にあどけない3人が、恋愛についてどう理解していかもわからない中、更に追い討ちをかけるように、大人なって忘れませんか?と来るのだ。
もう降参である。白旗をあげるしかない。
あまりにもカラッと歌い上げるので、その瞬間こそ軽く流れて行くのだか、ボディブローのように、毎年毎年、一年事に効いてくる。
仮にこれが恋愛でなく、日常の中、友人関係であっても、親子の関係であっても、この唄を聴いた時だけは、暫く優しくなれるものだ。
『ひとつ大人なって忘れませんか!』
こんな子供に諭されたら、正論掲げたつもりの自分がバカなのか、ただの執念深い嫌な奴なのか?
どちらにしても、身に沁みる昭和歌謡のベストソングである。
ー 内田かつのり ー