この数年間に何らかの形で影響を受け、直接世話になったり、診察を受けたりなどした代替医療関係者、もしくは東洋的思想を持つ漢方医師など3人が亡くなってしまった。一般的にはまだまだ若すぎる死でもある。
その悲しみに幾つもの想いが重なり、訃報を聞いた際のショックは、ある意味身内の不幸よりも強い痛みが胸に走った。
身勝手な言い方にもなるし、正直、未だ気持ちの整理がついていない事もあるが、誤解を恐れず言うならば、自分の信じた代替医療とは果たしてこれで良かったのか?
そんな自問自答の繰り返しが鳴り止まない。
3人に共通する事は、西洋医学一辺倒にある現代医学への警鐘とでもいうSOSだ。
1人は『クスリはリスク』などを提唱してくれた方であり、何冊もの本を読み漁り、僕の思想の礎にもなっている。
もう1人は、西洋医学の医師から漢方専門医に変わり、粗食の勧め的なアプローチを併行させながら漢方治療で治癒を目指す医師。
更なる1人は、分子矯正医学という三大栄養素に特化した日本の食事に対して、理詰めでNOを突きつけ、時に厳しく西洋医学を斬っていった方。
『こんな生き方をしていたら早死にをするよ!』
『今のlifestyleを根っこから変えないと、いつまで経っても治るものも治らないよ!』
『その食事やばすぎるよ、他にも病気が沢山出てくるよ!』
極論すると、このような事を訴えられていた。もっとリアルに書くならば、『貴方のここが駄目なんだよ』的なアドバイスを直接もらったりもした。
厳しい言葉に何の恨みもないのだが、ある期間、実践しても一向に変化がないため、離れて行った次第だ。
因みに当時のスタンスは最低半年位は様子見、その時の変化、及び費用対効果などを考慮し、継続を検討する事にしていた。
どの方も理屈では合っているのだろう。
僕程度の知識では、全く太刀打ち出来ない理論体系もお持ちであった。
しかし、一向に理想の出口は見えてこなかったのも事実なのだ。
かかった費用や時間に対し、世間では又見知らぬ者は、ニセ医学に騙されたんだよ!バカだねえ、可愛そうだねぇ、時間も金もまきあげられた!という囁きもあるだろう。
しかし、当の本人、僕には一点の曇りもなく、恨み辛みはないのだ。
ただただ悔しく、残念である、何より心が折れてしまったのも事実だ。
それは、代替医療の限界を見せられ、西洋医学への敗北感から湧き上がる物なのか?
注ぎ込んだ熱量の行き場のないやるせなさなのか?
あれから数年経つのだが、まだその答えはわからない。
ー 内田かつのり ー