『交通事故死等の検体解剖をすると、ある一定の割合で癌が見つかる』という話を聞いた事、読んだ事がある。
あながち嘘でないだろう、ただそれがどの程度の割合なのかは、この世の中で誰もわからない。勿論、それを発信している解剖学者であっても、知っているのは自身のテリトリーであって、もしかしたら、たまたまという偶然もあり得るのだ。
もし、1年間、日本における遺体を全病院にて死亡理由問わず、全て検体解剖をし正確なデータが出す事が出来たならば、ある程度の信憑性やその傾向も、また、今後の癌治療に対しても指針が出来るのであろう。
冒頭の言葉は、ある解剖学教室で教授から聞かされた言葉なのだが、僕はこの言葉に対し、肯定的信頼をしている。
実際に見た訳ではない、自分が解剖をした訳でもない。
しかし、世の中、そんなミニマムな世界で殆どの人間が物差しを創り、価値観を築きあげているのだ。
例えば、牛乳がどれだけ危険であるのか?を提唱する方がいる。恐らく理屈ではそうなのだろう。しかし、逆もまた真なりである。
僕自身、その理屈を書物にて知った時の驚きといったら、後悔しかなかった。
『このめまいも、そういう事だったのか?』
しかし、牛乳を飲んで長生きしている方もいる。
否定派はこの事実をどのように解釈するのだろうか?
また、およそ理想とは真逆の食事をしているにも関わらず、とてもとても元気な方がいる。
僕が食に対し、絶対的な答えを見出せなくなったのは、このような理由もその一つだ。
ー 内田かつのり ー