「生きる事は悲しいけれど・・・」

『お前、この間、江ノ島沿いの134号を1人で歩いてたろ?暗い奴だなぁ!』と、10代の終わりに何度か言われた事がある。

 

その友人は彼女とドライブの最中、1人で海沿いを歩く僕を見つけたらしい…。

8月終わりの海が好きだ、真夏のそれよりも。海の家が壊されていく日には、時として、秋の風を超え冬を感じる事さえある。

 

多くの人にとって『海は泳ぐもの』、

しかし、僕にとっての海は『歩くもの』だった。

恐らく人生で一番多感な時期。

誰もが眩しく光を放せる時期に、背負ってしまった足枷を誰かのせいに、世の中のせいにするつもりもなく、ただただ、生きてる事が辛かった10代の毎日は、あまりにも終わりのない、長く辛い時間だけを、いつも持て余していた。

 

その無力さを嘆くしかなく、こうなりたい自分が見えれば見えるほど、空回りのろくでなしを、少しでも埋める為に、今を忘れたくて、もうこのままじゃいられなくて、ひたすら海沿いを歩いては、波に癒され、慰められていた遠い昔。

 

夏の終わりに、もう手に入らない『あの頃』を思い返せば、暗く退屈で卑屈な10代

であっても、それなりの眩しさが一瞬の夏に残っている。

一人ぼっちを噛みしめながら、あてにならない誓いだけを、ほろ苦い海へ捧げるように歩き続けたあの頃。

海の空との境界線をひたすら探し続けたあの頃。

 

『生きる事は悲しい』けれど…。

同じ位『生きる事は素晴らしい』んだと、

心の中にしまいんだ想いこそが、アナトミック骨盤ヨガの原点だ。

誰にでもある心の影を、夏の終わりに見つめていく時間。

 

2023 9/2アナトミック骨盤ヨガ。let's enjoy

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